コレクション: 越前汐うに 【茜香(せんか)】

将軍家献上品「越前汐雲丹」

三河の海鼠腸、長崎の唐墨に並ぶ日本三大珍味の一つとして名高い越前の汐雲丹はその希少性から江戸時代には将軍家や皇室への献上品として重宝されてきました。自然豊かな福井県越前町の沿岸部で漁獲されたバフンウニのみを使用した極上の逸品である越前汐雲丹。厳選されたバフンウニの卵巣と天然塩、ただその二つのみを原材料とし一切の添加物を使用しない伝統的な製法は江戸時代から愚直に守り続けられています。塩の浸透圧により余計な水分を除かれ熟成・凝縮されたその身は、じっくりと旨味を蓄え深い情熱を感じる美しい深紅の色彩を放っています。その一片を口に含むと舌先にまとわりつく滋味深く奥行きのある複雑な甘み、口内から鼻腔をゆっくりと丹念に愛撫するかのように立ち昇る磯の香、それら二つが混然一体となる熟成された旨味は他に類を見ない至高の味わいです。箸先にほんの少し取り炊き立てのご飯と共に食しても良し、辛口の日本酒とのマリアージュにも良し。違いの分かる成熟した大人のみ嗜むことのできる極上の珍味です。

 

江戸時代より続く匠の手作業

バフンウニの漁は比較的浅瀬の海岸で海女さんが岩を一つ一つめくりながら行います。水揚げされたバフンウニの殻を割り少量の卵巣を少しづつ取り出して集めていくその作業は全て手作業です。海水で洗いながら卵巣以外の部分や殻の欠片などを丹念に取り除くと、一切の添加物は使用せず天然塩のみの伝統的製法で作られます。余計な水分、雑味が省かれた純粋な磯の旨味は江戸時代より続く匠の手作業で生み出されています。

 

汐うにの発祥の地『越前町』


福井県沿岸部のバフンウニ漁は過去には県内の至る漁場で盛んに行なわれていました。しかし1950年代の高度経済成長期以降、港の整備・拡張と共に漁場となる磯が縮小し水揚げ量は年々減少傾向にあります。本場と言われる越前町でも左右地区以外ではウニ漁はほぼ行われていないのが現状です。越前海岸は地形上流れ込む大きな河川が存在せず、背後に聳える越知山やエボシ山などの標高500m~600m級の山々から流れ出す栄養が豊富で綺麗な水が市街地などの生活環境域を通過することなくほぼダイレクトに海岸に流れ込むため豊かな漁場が現在も守られています。そのため県内他地域のバフンウニに比べ身の発色がよく雑味が少ないのが特徴で、地元福井県でも特に珍重されています。

 

越前汐雲丹『茜香』とは

・越前町の左右地区にのみ生息するバフンウニを使用する。
・伝統的な海女漁で水揚げされたバフンウニを使用する。
・一切の添加物を使用せずバフンウニと天然塩のみを原材料とし江戸時代から続く伝統的な製法で作られている。

以上の条件を満たすものを『茜香』と名付けました